飼い主さんに知ってほしいこと

飼い主さんに知ってほしいこと

老年のわんちゃん・ねこちゃん

老齢のわんちゃんがよくなる病気

犬種、個体差によってちがいがありますが、6~7歳になると徐々に老化が始まると言われています。

行動や外見の変化はありませんか?

歯周病

歯を取り巻く組織の病気です。口腔内の疾患で最も発生頻度が高く、口臭がひどくなったり、進行すると食事をとるのも困難になったりします。

腫瘍

様々な部位にできる可能性があり、良性と悪性に分けられます。

わんちゃんの高齢化によって、増えてきている病気です。わんちゃんでは、体表の腫瘍が最も多くみられます。

心臓病

心臓は、全身に血液を送るポンプの役割を果たしています。そのポンプの不調によって血液の循環が悪くなるのが心臓病です。

朝や興奮時に咳が出る、運動を嫌がるようになるのが、サインだと言われています。

治療は投薬による内科的治療や食事療法が中心です。治療により、余命が2倍近く変わることもあります。

甲状腺機能低下

体を活発な状態にする、甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気です。

症状はなんとなく元気がない、太りやすいといった曖昧なものから、低体温、皮膚の脱毛や被毛の光沢低下、高脂血症、貧血など多岐にわたります。

診断には、甲状腺ホルモンの血中濃度を測定し、低下していることを確認します。

同時に甲状腺刺激ホルモンの血中濃度を測定することで、検査精度を上げることができます。

治療はホルモン補充療法です。薬を飲むことで不足しているホルモンを補います。

ホルモン補充療法は生涯にわたりますが、適切な投薬治療を行うことで、健康な子とほぼ同じ生活を送ることができる病気です。

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

腎臓の近くにある副腎から、ホルモンが過剰に分泌される病気です。

全身の代謝にかかわるホルモンですが、過剰になると様々な問題が発生します。

症状としては飲水量や尿量が増えるのが特徴的で、毛が薄くなる、お腹が膨らんでくる、筋肉が衰えるなどがよくみられます。

また糖尿病を誘発したり、免疫力の低下による感染症なども起こりやすくなったりします。

この病気は下垂体性と副腎性に大別されます。

下垂体性は、脳の下垂体から副腎を刺激するホルモンが過剰分泌され、副腎皮質からホルモンの過剰分泌が起こります。

副腎性は、副腎腫瘍などで副腎皮質から自律的にホルモンの過剰分泌が起こります。わんちゃんの場合、多くは下垂体性です。

またステロイド剤の長期間投与でも同じ症状が現れる医原性クッシング症候群もあります。

診断はACTH刺激試験という検査を行うことが多いです。

この検査は、副腎皮質を刺激する注射をします。注射前と注射後で血中のコルチゾールというホルモンの濃度を測定し、異常値を検出します。

また下垂体性か副腎性かを判断するために、腹部のレントゲンやエコー検査、頭部のCT、MRI検査を行うこともあります。

治療は内科療法、放射線療法、外科手術などがあります。

下垂体性の場合は、ホルモンの合成を抑える薬の内服を行うことが多いです。

副腎腫瘍の場合は、摘出手術が第一選択となることが多いです。

老齢のねこちゃんがよくなる病気

猫ちゃんの老化は、6~7歳くらいから始まるといわれています。

行動や外見の変化はありませんか?

腎臓病

おしっこをつくる腎臓の機能が悪くなっていく病気です。

お水をたくさん飲むようになったり、トイレの回数が増えたりするのでおしっこの色が薄くなることで、気づくことが多いようです。さらに進行すると食欲がなくなったり、吐きやすくなったりします。

治療は腎臓の機能を回復させるための成分を摂取する食事療法や、症状を和らげるための点滴治療が挙げられます。

腫瘍

高齢化によって増えてきている病気です。

中でも悪性リンパ腫の発生が多いと言われています。のどや脇の下にしこりができることが多いです。

ホルモン(甲状腺機能亢進症)

ねこちゃんに多いホルモンの病気です。

体を活発な状態にする甲状腺ホルモンがたくさん出すぎる病気です。

原因は甲状腺の腫瘍です。

食べているのに痩せてくる、心臓がバクバクしている、落ち着きがなくなる、怒りっぽいなどが見られて、来院されることが多いように思われます。

甲状腺ホルモンの測定をして診断します。治療はホルモンを抑える薬の投薬が主流です。

若いわんちゃん・ねこちゃん

若いわんちゃんがよくなる病気

若いわんちゃんには、毎年のワクチン接種やフィラリア予防、ノミ・ダニの予防を行うほか、適切な食事と体重管理、運動を心がけてあげて下さい。

健康なのが当たり前と思われるかもしれませんが、年に1回は健康チェックを受けましょう。

アレルギー性皮膚炎(アトピー・食餌アレルギー)

なにかにアレルギーがあり、それが皮膚のかゆみとしての症状をおこします。

犬アトピー性皮膚炎、食餌アレルギー性皮膚炎、ノミアレルギー性皮膚炎の3つに大きく分けられます。

薬の投与などで治療をしていきます。

感染性皮膚炎

なぜか人と違って、わんちゃんには感染性の皮膚炎が多く認められます。

皮膚の病変を伴ったかゆみが多く、寄生虫性、細菌性、真菌性などに分けられます。

主に投薬などで治療していくことが多いです。

外耳炎

老齢のわんちゃんもなりますが、若い頃よりかかりやすい病気です。

マラセチアという酵母菌が増えると外耳炎になり、さらに細菌感染が加わると難治性になることがあります。

治療は外耳炎の原因となっている、寄生虫やアレルゲン、異物を耳から取り除き、殺菌をしていきます。

若いねこちゃんがよくなる病気

若いねこちゃんは、毎年のワクチン接種、ノミ・ダニの予防を行うほか、適切な食事、体重管理を心がけて下さい。

健康なのが当たり前と思われるかもしれませんが、わんちゃん、ねこちゃんの1年は人の4~6年にもあたると言われています。年に1度は健康チェックを受けましょう。

伝染性鼻気管炎

特に子猫に多い病気で、猫風邪ともいわれます。

くしゃみ、鼻水、目ヤニ、発熱といった、人間の風邪と同じ様な症状が出ます。子猫では体力がないため、命にかかわることもありますが、ワクチンで予防できる病気です。

尿石症

おしっこの中に、ガラスのような結晶や、結石ができる病気です。

頻尿、血尿、ひどい時には、尿道が尿石でつまって、おしっこが出なくなることもあります。おしっこが出ないのに放っておくと、命を落としてしまうこともあります。

治療としては食事療法をおすすめしています。

私達は、毎日当たり前のように食事を摂りますが、あらためて考えてみると、私達の体の中に摂り入れているもので食事以上に量が多いものはありません。次に出ていくものを考えてみて下さい。主におしっことうんちです。

おしっこの状態は、何を食べたかによって、随分変わってくるのです。 そしておしっこの状態によって、結晶や結石ができやすかったり、溶けやすかったりするのです。

では、どのようなおしっこであればよいのでしょう?

  • 1結晶、結石の元になるが成分が少ないおしっこ

  • 2おしっこの量が十分で、濃くなりすぎないおしっこ

  • 3適切なPHのおしっこ

このようなおしっこであれば安心です。随分と難しそうな印象を受けるかもしれませんが、食事療法をきちんとすれば、このようなおしっこを作ることができるのです。

健康状態のチェック

毎日一緒に過ごしている飼い主だからこそ、普段と様子が違わないかわかるポイントがあります。日々スキンシップをし、シコリなどがないか確かめることも大切です。

また体重なども月に一回は測ってあげるとよいでしょう。当院の待合室にも体重計があるのでご活用下さい。ねこちゃんの場合は抱っこが難しいので、キャリーケースなどに入れてお家で測ってあげるのがおすすめです。

正しい知識を覚えることで、大切なわんちゃんやねこちゃんの健康状態をチェックしていきましょう。

  • 1散歩・運動

    チェックポイント……元気、便、尿、歩き方、行動の異常
    散歩にいったときに、上記に普段と違いがないか注意してあげて下さい。

  • 2食餌

    チェックポイント……残していないか、食べる速さ、口を痛がらないか(特にねこちゃん)
    消化器系の不調はもちろん、歯周病などの口腔トラブルも考えられます。

  • 3トイレ

排尿

チェックポイント……色、臭気、量、回数

膀胱炎、尿石症(特にねこちゃん)、老齢では腎不全(特にねこちゃん)、糖尿病、副腎皮質機能亢進症(わんちゃん)の早期発見に役立ちます。

おしっこの色や臭いなどには変化が出やすいので、注意して下さい。

病院におしっこを持っていくときは、紙コップなどの清潔な容器で採り、ラップをして輪ゴムでとめるか、別の容器に移し替えてなるべく早く持っていって下さい。ペットシーツやネコ砂はダメです。

排出

チェックポイント……色、臭気、形、量、未消化物や異物、回数、便秘、下痢、寄生虫の発見

病院に持っていくときは、土やネコ砂がついていない状態で、指の一関節分位をラップに包み、輪ゴムでとめて、乾燥しないようにして下さい。

ねこちゃんはトイレが汚いと排泄をしたがりませんので、清潔にして下さい。

  • 4スキンシップ

    毎日、あちこち触ってみて下さい。しこりや皮膚病がみつかることがあります。

  • 5体重を定期的に量る

    毎週、なるべく同じ時間、同じタイミングで量って下さい。急激な体重の減少や増加は要注意です。

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